ここまで来たら俺だって明日は晴れて欲しいと願ってしまう。

と言うか、ここまで来たら晴れさせなければいけないという使命感。

俺はただの高校生で。

天気は人の力ではいくら祈ったってどうすることも出来なくて。

なのに、それでもどうにかして晴れさせねばいけないと強く思ってしまう。

「うん!」

ここまで来たらとことんだ。

できる限りの事はやり尽くそう。

とは言え雨を晴らす儀式など照る照る坊主くらいしか知らないから、ならばウチにも大量の照る照る坊主を飾ってやろうと思う。

「明日は絶対に花火を見ようね」

「ああ」

そんな風には誓いにも似た言葉を交わしながら、俺達は雨に包まれた町の中を早足で家まで歩いて帰った。