そう。
彩蓮と俺が作った照る照る坊主の数はちょっと笑えないくらいの数で、駄菓子屋のばあちゃんに教えてもらった家だけでは半分以上も余っていた。
それでもこうして全ての照る照る坊主を配れたのは訪れた先の家でまた新しい家を紹介してもらったり、訪れた家でたまたまお茶をしていたお年寄りが何事かと声をかけてくれ、それに加えてうちにも飾ろうと申し出てきてくれたからこそだ。
単純にすごいな、と思う。
こんな見ず知らずの照る照る小僧と小娘を受け入れてくれたお年寄りも。
それだけでは飽き足らず更に新しい繋がりを作ってくれたお年寄りも。
物好きにも自ら声をかけてくれたお年寄りも。
何より……。
そして何より、最初の繋がりを作った彩蓮の行動力が、単純にすごいなと、かっこいいなと、そう思った。
「これだけ沢山の照る照る坊主がいるんだもん!明日はきっと晴れるよね?」