そして着いたのは店でもなんでもない、本当にリアルなおばあちゃんの知り合いの家だった。

「じゃあ三人家族でお願いします!」

そう言って彩蓮は自分の袋から三体の照る照る坊主を取り出す。

「あっはっは!成程、家族ねー」

彩蓮の差し出した三体。

それは二体が大きめで一体が小さめで、成程、言われれば確かに子と親に見えた。

「よーし。ほんなら隠れん坊をしてるお天道様に届くように目立つところに飾ろえかねー」

「わぁ!ありがとうございます!じゃあ、成流!私達は次に行こう!」

彩蓮は傘を開きもう玄関の外へ出ている。

どうやらこいつは本気で袋の中の照る照る坊主全てをさばく気でいるらしい。

俺は駄菓子屋のばあちゃんのばあちゃん友達にお辞儀をし、やれやれとため息をついてから彩蓮の後を追った。