「るっさ!ボリュームか距離を考えろ!」

「ごめんごめん。でもすごくいい考えだよ?」

「考えなだけでやんねーけどな。さて、こいつらどうするかぁ」

既に机の上には無数の照る照る坊主。

その中の一つを摘み上げて眺めながら、その数に途方に暮れる。

しかしよく降るなぁ。

窓の外では相も変わらず雨が降っている。

こんな日は人も出歩いてなければ蝉も鳴いていないせいでものすごく静かだ。

「ねぇ、成流?飾ってみない?」

「だから何処によ」

「ふへへへへ」

俺の問いに、彩蓮は不敵な笑みを浮かべるだけだった。