かき氷を食べた帰り道、ふと横切った記憶に俺は彩蓮に真実を伝えるべく呼びかけた。

「昔、小学生の頃にも彩蓮にかき氷奢ってもらったじゃん?」

「平泳ぎを教えてくれた時でしょう?懐かしいなー」

「そう。あの時さ、練乳のかかった苺のかき氷って甘酸っぱくて美味いんだなぁとか思った訳よ」

彩蓮は『うんうん、そうでしょそうでしょ』と言わんばかりに首を縦に振る。

「でもさ、あの時の甘酸っぱさは単に練乳が腐ってたっぽくてさ、あの後腹下したんだよなぁ」

「えー!?そうなの!?ごめん!大丈夫だった?」

「もう過ぎたことだからなぁ。今更どうもないけど、今日もやっぱり甘酸っぱかったからさ、もしかしたら明日には二人して腹下してるかもな」

「えー、それはやだなー。でもきっと大丈夫だよ。別に食べてて変な味しなかったもん」

「ならいいけど」

まあ、別に腐っててもいいかなとか思った。