彩蓮と俺は手を合わせてから冷たいかき氷を口に含む。
「美味しい?」
「甘いな」
「今日は練乳がかかってるからね!へへ。今回は私も奮発しちゃった!」
彩蓮の手には俺にくれたのと同じ、練乳のかかった苺のかき氷が収まっている。
小学生のあの日。
彩蓮に泳ぎを教えたあの夏の日。
あれからもう何年も経つが俺には未だかき氷と練乳の組み合わせに美味しさを感じたことがないが、不思議だ。
彩蓮から受け取るそれだけはやっぱり少し甘酸っぱくて甘さと酸味が絶妙なバランスを織り成してるなとか思える。
「俺さぁ」
「んー?」