そのせいか周りには小学校入学前の小さな子供や夏休みの宿題をやりに来ている小中学生が他のスペースよりも多くいる。

「ママー、次はこれ読んでー」

「いいわよ。あら、懐かしい。これ、ママが小さい時に大好きだった絵本だわ」

「ママも小さかったの?」

「もちろん。その時はママもあなたのおばあちゃんに読んでもらってたのよ」

「へぇー」

「ちょ、早くそれ貸してくれない?ここから先進まないんだけど」

「後少しだって」

「さっきもそう言ってたのに前線進んでないじゃん。進まないなら先に貸してよね」

「お前読書感想文のって何読んだ?」

「羊となんとかって、待って。ここで借りたから持ってくる」

「感想文書いたんじゃないのかよ」