何となく静かで何となくゆっくりな世界を、だけどせっかくだから何か彩蓮が驚くような照る照る坊主を作りたいな、とかぼーっと考えながらタラタラと図書館までの道を歩いた。
「あれ?やっぱり少し暑かったのかな?」
彩蓮の言葉に俺は首を縦に振る。
そうなのだ。
途中までは肌寒いとか思っていたはずなのに、いざ図書館に着いて中に入るとその涼しさに気持ちいいなとか感じたのだ。
まだ雨は降っていない。
それでもやっぱり湿気は立ち込めていて、歩いたことによる体温の上昇と蒸発しない熱に体は熱くなっていたらしい。
本棚と本棚の間を練り歩きなにか面白そうなものを物色。
流石に連日通っていて、且つ課題はとっくに終わっている。
プラスして俺は元々読書が趣味ではない為ここでの時間つぶしにはそろそろ飽きてしまっている。
(別に元々乗り気なわけじゃなかったが他に行くところもなくの仕方なしだ)