「帰ったらさ、久しぶりに照る照る坊主でも作らない?」

「えー、めんどー」

「いいじゃん。どうせ暇なんだし。それにせっかくの花火大会が雨で中止とかになったら悲しいじゃん」

 ああ、と思う。

 確かに、ここで照る照る坊主を作るのを断って雨が降って、そのせいで花火大会が中止にでもなろうものなら彩蓮はかなり煩いだろう。

「作るか」

「うん」

 しかし照る照る坊主を作るなんていつ振りだ?

 と言うかそんなの作ったことがあったっけ?

 まあ、照る照る坊主くらいなんとでもなるか。

 ミーンミンミン。

 くるくるくるくる。

 ザク、ザク、ザク、ザク。