「でもシャワーを浴びて二時半でしょう?汗を引かせるのに三時でしょう?着替えと髪の毛のセットで四時でしょう?家を出るのは六時過ぎでしょう?んー?別に早くなくない?」

うん。

ならば何だ?

その間にある二時間の空白は?

「まあいいや。好きにすれば?俺は少しテレビでも見てるから」

「準備してから見たらいいじゃん」

「どっちにしろどっちか先にシャワー使わないと使えないだろ。彩蓮からシャワーしてくれば。その間俺はこうしてる」

目を瞑り、腕を乗せて閉じた視界を更に暗くする。

遠くの方では彩蓮がブツブツ言っている気もするが蝉の鳴き声がうるさくてよく聞き取れない。

まあ、大方『寝ないでよね!』とか『だらしないなー』とかその程度だろう。