今日は何を食べようか。

 教室に戻り、自席に座り、最後のHRを窓の外を眺めながらそんな事を考えて聞き流す。

 昼食をどこで食べるかは決めていないが行くところなど限られている。

 何か特別が起こらない限り行くのは学校裏にある小さめデパートの一階にあるこれまた然程広くはないフードコート。

 何十回と通っているそこでのメニュー等、見るまでもなく脳内にインプット済みだ。

「それでだな?この夏休みはお前らにとって高校生初めての長期休みな訳だ」

 なにが『それで』なのか、昼食のことしか考えていなかった俺には全く持って伝わってこない。

 と言うかまだ話すのか。

 校長先生のスピーチで充分ではないか?

 ああ、違う。

 そうじゃない。