泳ぎすぎて自分の頼んだ方も分からないのかよ。

彩蓮が先程から差し出してるのは練乳のかかったかき氷。

反対には練乳のかかっていないかき氷。

俺が頼んだのはノーマルないちごのかき氷。

彩蓮が頼んだのは練乳のかかったいちごのかき氷。

ミーンミンミン。

ああ、蝉が鳴いている。

そりゃこの暑さだからな、鳴きたくもなるよな、蝉だって……。

「あー!分かった!」

そこで俺は急に閃いた!

ああ、そうか!

そういうことか!

「こうして、ほらよ!」

俺は彩蓮の意図を汲み取り、一度練乳のかかったかき氷を受け取る。