途中、貰った小遣いでカップ麺を食べ、その後も泳ぎまくった彩蓮はたった一日でゆうに二十五メートルを泳ぎきれるようになっていた。
「成流!ありがとう!」
プールからの帰り道、毎年寄っている駄菓子屋で買ったかき氷を差し出しながら彩蓮は言った。
「いいってことよ」
言いながら、俺は彩蓮の差し出している方と反対の器を取ろうと手を伸ばす。
「ああ、もう!なんで!?」
「何がだよ?ってか溶けるから!食わないの?」
「だから!はい!」
ニッコリと微笑む彩蓮。
硬直する俺。
うん、可愛いとか云々でなくて、そうでなくて……。
ニッコリ♡
じゃないんだよなぁ。