彩蓮の『ドッボーン!』に合わせて横からリアルなドッボーン!が聞こえてきた。

「ピッピピピー!こらー!飛び込みは禁止だぞー!」

どうやら非常にナイスなタイミングで阿呆がプールに飛び込んだらしい。

監視員は高い椅子の上で叫んでいる。

「ほら、迷惑」

「おう」

「ねーねー、成流?成流は何メートル泳げるようになった?」

「俺?二十五メートルは余裕だぜ」

「すごーい!」

彩蓮に褒められて俺は途端に誇らしくなる。

へへーんと胸を張り、そこで留まりもせず

「教えてやろうか」

「本当に?私まだ十五メートルがやっとなの。クラスの子の半分は二十五メートルなんて泳いじゃうし悔しいったらないんだー」

「よし!任せろ!」