腕まくりをしながら畑を見やる彩蓮の顔には真夏の太陽もびっくり仰天の笑みが広がっているのだ。

「しっかしあちぃなぁ」

「暑いねー。こんだけ汗かいちゃうとプールの楽しみが増えるよねー!」

「あ、やっぱ行くんだ?プール?」

「行くー!夏はやっぱりプールとかき氷だよ!」

去年はその年から母さんに俺と彩蓮の二人でプールへ行っていいと許可を貰えたのをいいことに、彩蓮は雨の日以外は俺をプールへ連れ出した。

あれが今年も来たのか。

「夏なんだなぁ」

「何言ってるの?夏だよ」

彩蓮は方にぶら下がるタオルで汗を拭いながら言った。

ジージリジリジリー。

その姿を見て改めて思う。

ああ、本当に夏が来たんだなぁと。