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「なーるー、どこか行こーよー」

朝ごはんが終わってものの三十分で彩蓮は暇を持て余しだす。

「いや、さすがに早いわ。まだどこも空いてねーよ」

「ええー、どーするー?」

どうするも何もダラダラしていればいいじゃないかと思うが口には出さない。

こいつはマグロかって位常に動いていなければならないらしく、ダラダラするという事を知らないのだ。

「はぁ、仕方ないから畑でも行くか」

「やったぁ!」

真夏の炎天下。

しかも夏休み。

こいつに限ってはうちにプチ旅行の身で、なのに畑に行こうで喜べる神経が分からない。

「わぁ!沢山なってるねー」

 彩蓮は大げさに感嘆の声を上げる。