土地だけは豊富が売りの田舎を有効活用して、建てられた二世帯住宅の隣にはじいちゃんとばあちゃんがすんでいる訳だが、じいちゃんもばあちゃんもまだ五十代のくせに事あるごとに年齢乱用を発動させ、今メインで畑の管理をしているのは母さんだ。
(まあ、言ってもじいちゃんもばあちゃんも壁を隔ててすぐ隣に住んでいる訳だから毎日畑には行っているが)
母さんは畑を受け渡された時、それはそれは喜んだ。
昔からトマトだけは嫌いだった母さんは宇田川家に嫁いできてからもずっとトマトだけは嫌いだと主張し続けているらしい。
それに対して前畑管理のばあちゃんは毎年きっちりトマトを植えているらしく、自分が管理を担当するようになるのを心待ちにしていたらしい。
が、ところがどっこい人生はそんなに甘くはないらしい。
ばあちゃんは管理を降りはしたがまあ、管理とは体のいい雑用係な訳であって。