ガヤガヤと、幾人もの喋り声が僕が居る場所よりずっと低い位置から聞こえてくる。

 いつもは静かなこの場所に、今日は数えきれない程の人が犇めき合っている。

 僕は耳を澄ます。

「あはははは!」

 僕の知らない誰かの笑い声が聞こえる。

「よっしゃー!取った!」

 僕の知らない誰かの興奮した声が轟いてくる。

「ねー!まだー?」

 僕の知らない誰かの不満げな声がここまで届く。

 聞こえてくる声は様々で、込められた感情だってきっとまちまちで。

 だけど……。

『みんな楽しそうだね』

『ああ』

 だけど、僕とキミにはどれも満たされた幸せな音に聞こえる。

 僕は下の方へ向けていた耳も目も、全てを隣に居るキミへと向ける。