何を思ってその印象が私の様だと思ったのか。

不倫をしてきた今までの私に対する皮肉なのか。

それとも……今現在への牽制ですか?

昼間の浮ついている私に気が付いて、勘違いするなとわざわざこんなモノで示しにきたんですか?

そんな悲観に満ちた感情に眩暈すら感じかけた刹那。

キュッと腰骨の上で結ばれた腰紐と、

「……【固い絆】」

「……え?」

「朝顔。つるを何回もしっかり絡ませていくことからそんな意味もあるって」

「………」

「なんか………俺とピヨちゃんっぽいなと」

「………」

「あと………」

「っ……」

あっ……熱……。

「………この白い肌には濃紺が映えるなと、」

「っ___」

胸元で弾かれる声音が直に肌に響くのがこそばゆい。

不意に背中に回った手に抱き寄せられるまま、正面の胸元には先生の唇を押し当てられて。

鎖骨より少しした。

胸の谷間というには少し上すぎる。

なのに、今まで触れてきた中では一番際どく危うくて。

触れる息が熱くて、唇の僅かな動きがもどかしくて。

自分の中の熱のさらなる糧になって、

熱くて、熱くて……。

「っ……先…生」

狂おしい。

自分でも分かってしまう程弾きだした声のもどかしい事と言ったら。

駄目だ。

先生にとっては単なる愛玩の一種なのに。

私は猫のようにおとなしく撫でられていなければいけないのに。

下がってしまった眉はどうやって上げるんだった?

先生に触れたい。

抱きつきたいと震える手の衝動はどうやって収めればいいんだった?