ジリジリと熱く焼けただれる感じが苦しくて。
込み上げる波に素直に口を開いてしまえば…、
「っ……先生、」
「……ん?」
『好きです』
「っ…………手…恥ずかしいです」
音にするギリギリ。
何とか間に合った言葉の差し替えには安堵と同時に苦しさを覚える。
吐き出してしまえばどれだけ楽になるのか。
きっと、吐いたところで報われない恋だと思い知る結果になる。
そんな心持ではないと水を浴びせられるように一蹴にされて。
でも、この自分では消火不能な燃焼がそれによって途絶えるというのなら辛くとも少しは楽になるであろうに。
諦めがつくほどはっきりとされてしまえば。
そう思うのに、吐き出す事を留める私は……
「……それは、良かった」
「っ……」
『期待』を……していたいのだ、きっと。
曖昧な駆け引きなのかもわからぬ先生の言動行動に。
キュッと、更にしっかりと繋がれた手の感触や温もりに。
私の天邪鬼を拾い上げてくれる【甘さ】の方に。
もしかしたら……『先生も?』と……。
期待することに虚しい痛みを覚えていた筈の私なのに。
先生なら……応えてくれるんじゃないかと期待する私はやっぱり学習能力のない愚か者でしょうか?