………のに。
「っ……ふはっ!?」
我ながらなんて間抜けな反応をしたか。
いや、でもこんな反応になったのは仕方のない事だと思う!
キスされると身構えたのに、予想外にも頬を甘噛みされたんだから。
しかも、感触を確かめるように何回も。
これにはきつく閉じていた目蓋もパチパチと瞬きして呆けてしまう。
そんな私などお構いなし。
「あー……なんか、長年の欲求の解消」
「……はい?」
「小さい頃からさあ、噛みついてみたいほっぺしてるなぁって思ってたんだよね。ほら、こう……マシュマロみたいで美味しそうだなって」
「……マシュ…………美味し…て……」
「………よくさあ、ペットが可愛すぎてキスしたり甘噛みしてみたりする映像って『マジか?』って引きながら見てきたんだけどさ、なんか…こんな感じなんだろうなぁって実感した」
「………」
「やっぱり……ピヨちゃんにしか愛玩欲求湧かないみたいだわ、俺」
もうさ……本当に殺し文句。
乙女心湧く意味とは全く違う感じに。
だって、食べ物扱いの後ランク上げされても結局ペットポジですよ?
今も尚男女として整いすぎた空間のベッドの上で、組み敷きあった状態をキープしているというのにまるで無視。
無視というより……、
これは……、
女として意識されていないという事なんじゃなかろうか。