自分でもそう思ってはいるのに、他でもない先生に改めて音として突きつけられるとどうしてか罪悪感が増してしまって。
そんな罪悪さえ読み取り謀ったように、
「だからさ、コレは罰なんだって。ピヨちゃんが求めてた罰。俗世を捨てて尼寺に身を投じるが如くさ、
諦めて、俺の人生に付き合っておきなさい。」
「っ___」
なんて、最後の最後に小狡い隠し手を…。
諭すような言葉と同時、ズボンの後ろポケットから取り出された小さな紙きれ。
小さく折りたたまれていたそれはみるみる元の大きさに広げられて、『諦めて…』の言葉と一緒に突きつけられた視覚へのパンチはデカい。
目の前に広がる紙にはっきり書かれているのは【婚姻届】の文字。
でも、更に驚いたのはそれが白紙ではなくすでに記入済みの状態であった事に。
先生の名前は勿論、私の名前も。
しかも筆跡的に自分の書いた字だ。
しっかりと判子まで押しているし、何なら両親の名前まで記入済み。
婚姻届けには必要不可欠な保証人2人の欄にも違う筆跡できちんと人の名や本籍が記入してあるのだ。
正直言って……覚えがない。
覚えがないけど自分の筆跡とくれば……
「昨日の私……死ね」
それしかもう悪態が浮かんでこないくらいに脱力。
ってか、保証人の二人誰だよ本当!
昨夜からの短時間でよく書き集めたよ、先生!