くたびれたって…。
先生を『くたびれた』なんて称したら全国のアラフォーな男性陣がどう反応するか…。
……じゃ、なくてだ。
「っ……て、なんでそこで私と先生が結婚する話になるんですか?仮に私が受けるべき罰なんだとして、先生までそれにつきあう理由あります!?」
「いやね、この歳で一人って結構寂しいもんなのよ。かといってね、新しい出会いを探して一から恋愛する気力もないのよおじさんは。元々恋愛欲求薄い方だし、女の子喜ばすのって億劫だし」
「さらっとダメ男発言爆発させないでください」
「まあ、そんなんで、丁度犬か猫でも飼おうかと思ってたとこだったんだよね」
「犬か猫……」
「そしたら……、病院の前にピヨちゃんが捨てられてたから」
「捨てられてません」
本当になんだコレ。
つまりはなんだ?
奥様とは名ばかりのペット扱いなのか?
恋愛が面倒くさいという感覚は悲しくもなんとなく同調はするけどもさ。
だけども………、なんとまあ、
「残念なイケメン…」
「ああ、それ元嫁にも言われた気がする」
「………一応確認ですが、」
「ん?」
「前の奥さんとの間に子供は…」
「いないですねえ」
「……そうですか」
私という奴は…。
何を小さくも安堵を覚えて息を吐いたのか。
まるで、先生に恋心でも抱いているかのように。