それなのに、対する先生は再会から終始淡々とした無表情を貫くのだから恐れ入る。

ああ、でも…変わらないな。

確かに歳を食ったと感じる皺もある。

今の自分が25歳なら先生は多分38歳くらいだろう。

それでも38歳と言う響きからは若く見える姿だと思うのだ。

老けたとは思わない。

寧ろ、若々しい頃より落ち着いた魅力が増して、常に纏っている気怠ささえ色気に見える程だ。

愛想なんてどこかに置き忘れてきているような、そんな人なのに。

何でなんだろうな。

昔も…今現在もだ。

この不愛想が何故か…居心地がいいと……

「随分と大人になっちゃって、ぴよちゃん……」

「………」

「………色々と、」

「っ____!!!?」

ちょっ………。

いや、本当………。

その【間】と【色々】の含みはなんでしょうか?

一回確かめるように上から下まで視線走らせたのもどんな意味がありますか?

ってか……っ……。

ちょっと待って?

あれ?

今更だけども、つまりはここは先生の部屋という事で。

今私が身に纏っているのも先生のシャツという事で。

その下は下着姿という事で。

さっきまでどこの行きずりの相手とアバンチュールしたかなんて考えていたわけで。

………あれ?

アバンチュール……しちゃった?

しちゃったの?

私しちゃった?

まさかの……先生……と?

そういう含みの……『大人になっちゃって』発言って事なんでしょうかね、先生?!