「やっぱり…綺麗です」

「っ…」

「肌の白さから手触りに至るまで」

「九…条くん」

「このウエストのラインも細さも」

「ねえ、」

「アンダーとトップが完璧な程バランスのとれた形の良い胸も、」

「っ…」

思わず息を止めてしまう。

何の躊躇いもなく器用な指先はこちらに嫌悪も抱かせずに下着の金具を外してしまって。

そうして無防備に緩んだブラジャーの下に迷いなくスルリと入り込み、感触を確かめる様に揉みこんでくる五本の指先。

こんなこと何てことないとポーカーフェイスを気取った顔はなんとか平然を保てているんだろうか?

こちらはどこか必死でこの状況に平静を作り上げているというのに、向かい合い肌に触れてくる彼と言えばただ静かなる恍惚さを眼差しだけに孕めて私の肌を堪能しきっている。

手に得る感触だけではなく、視覚をも満たそうといつの間にか身を屈めた彼の顔は私の胸元に下りていて、熱い息が胸の谷間にかかると同時に、

「好きですよ、ミモリさん」

「っ…」

「だから、俺以外の奴に気安く触らせないでください。…俺のモノです」

胸に直に刻みこむように、胸の谷間に落とされた口づけと『俺のモノ』だという音の響き。