ただ、寂しかった。

無性に人肌恋しくなった。

一人の空間に変に孤独を感じ始めて。

「おかえり」とか「おはよう」という些細な会話をする存在が欲しかった。

ただそれだけ。

それが出来れば誰でもよくて、自分を求めて傍にいてくれれば誰でもよくて。

そんな寂しさに焦りが募りどうしてもの『タイムリミット』間近に彼が「好き」だと声をかけた。

タイミングと都合のいい相手であっただけなのに。

程よく甘味の恩恵に甘えられればそれで良かったのに。

彼の甘さは毒性が強すぎた。

その甘味に強引に沈めた癖に、依存させた癖に、寂しいと嘆く心ばかり蔑ろにされる。

蔑ろのまま、体ばかりが彼の愛情の餌食になる。

甘い蜜を塗りたくられて、食われて食われて、一週間だ。

もう、私に残るのは骨と寂しい心ばかりなんじゃないかと思うのに。





『俺のモノ』?


そう執着して見せるのは私にじゃない。

その嫉妬の様な意識も全て私の心には向けられてはいないんでしょう?

いっそ最初から性欲目的で体を貪られた方が自分の心が彼に惹かれる事なんてなかったんじゃないかって思う。

所詮男はそんな物だとドライに捉えて、同じような甘い彼を知ってもここまで虚しさを覚えなかったんじゃないかって。