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６，投稿者：執行人

処刑は終了した。
思ったより簡単だった、というのが実直な感想だ。
想像の中では、いろんなことを思いめぐらせていた。
シミュレーションも飽きるほど繰り返した。
が、現実はあっけない結末だった。
疑いもせずについて来たバカな稲垣沙希。
睡眠薬のたっぷり入ったジュースをうまそうに飲んでいた。
すぐに意識朦朧としはじめた稲垣沙希の耳元で、彼女の罪を告げた。
そのときの表情は傑作だった。
逃げようとして足がもつれ、ようやくそこで睡眠薬を飲まされたことに気づいたらしい。
ロープを首に巻きつけた。
自分が殺されることを理解したようで、何度も何度も許しを乞う稲垣沙希。
強くロープを絞めれば、久しぶりに私は笑えた気がした。
もだえ苦しむ罪人を殺すのに、なんの躊躇もいらなかった。
やがて動かなくなったのがわかっても、私は執拗に首を絞め続けた。
死刑は執行されたのだ。

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