「確かに私ならありえるかも……自分の聞きたくない事は勝手に耳が聞いてくれないというか、なんというか…?」


「明日になったら、廃部寸前のこと忘れてそうだもんねっ」


そう言いながら澄佳はクスクスと笑っていた。


「そんな事ないよ!また明日行ったら驚かなきゃいけなくなるのやだよ」


千穂は必死に否定した。


「そんなことより、お姉ちゃんはどうだった?病院。今日検診行ってきたんでしょ?」


「うん、順調だって言われたよ」


澄佳はそれだけを言うと顔を逸らす。


「本当に?あそこに置いてある薬増えてる気がするけど」


千穂は、隠そうと悲しい顔をする、澄佳の表情を見逃さなかった。


「あはは、ちぃちゃんは気付いてたかぁ。本当は、前にもらった薬があんまり効いてなくて、夜も不安で眠れなかったりで、安定剤とか色々貰ってきちゃった」


「そっか。私には正直に言わなきゃだめだからね?お姉ちゃん、心配かけないように黙ってること多いんだから」


千穂は本気で澄佳のことを心配していた。