「な、んでいるの?ユイくん」
「皆見さんに呼ばれて行ってこいって言われたんだよね」
大丈夫だった?と顔を覗き込まれる。
「だ、大丈夫だよ!!」
そういい、少し距離をとる。
やはり、付き合ってもいないのにこの距離感は可笑しいのかもしれない。

「みんな僕なんかのどこがいいんだろうね」
と、遠くを見つめるユイくん。
中学の頃から今回のようなのとは多々あった。
1番酷かったのは中学三年のときでいじめにまで発展したことがあった。
まぁ、その頃に比べたら全然マシだ。立花さんなんかは毎回1人で言いに来てくれる。これが大人数だったらもう無理。怖い。

「何かあったらなんでも言ってくれてもいいんだよ?」
ユイくんが申し訳なさそうに言う。もしかしたら、責任を感じているのかもしれない。

なんでも、か。




「じゃあ、さ」



_______________私のことどう思ってる?



しまった。
言ってしまった。
「あ、違うの、えっと、」
慌てて訂正しようとする。
「どう思ってるんだろうね?それは恋愛として?人として?」
意地悪な笑みを浮かべて私を見つめる。


「じゃあさ、那月僕のことどう思ってる?」

仕返しだ、と言わんばかりの質問。

「え、え…っと……」
好きです、なんて言えない。
頭を一生懸命回すがなんて言ったらいいか思いつかない。かといって直球に言うには恥ずかしすぎる。

「可愛いね。慌ててる?」
「なっ!…すぐそうやって心にもないことを言う…」

もう教室戻るから、と言って背を向けて歩く。
その時ユイくんがどんな表情していたのかも知らないで……。