「こんにちは。八上さん、皆見さん」

秋原くんに声をかけられたのはその日の放課後だった。

「ちょっと、聞いてもいいですか?」
そうお時間は取らせませんから、と申し訳なさそうに眉を下げる。

「別に帰るだけだったし、ね?」
「うん、分からないことあったらなんでも聞いてね」
「すみません。感謝します」
嬉しそうに礼を言う秋原くんに、礼儀正しい人だなと思った。それと同時に表情がコロコロ変わる子だな、というのも印象だ。


教室には私たちさん人だけを照らす夕日が輝いていた。外からは運動部の掛け声。




「父から探して来いと言われた人達がいるのですが、なかなか見当たらなくて…」
その名が出てきた瞬間、目を見張る。



_______________棗 由都ってご存知ですか?