「ねぇ、つばさ。俺たちの出会い、運命だと思わない?」

私を抱きしめる腕を緩めることなく、胡桃さんが言う。
そんな、“運命”だなんて大それた事、考えたこともなかった。

だけど…。

彼が風邪を引いて私の勤める薬局へ来たことから始まった私たちの恋。
これを運命と言わずして何と言うの。

「うん、そう思う。」

抱きしめられる腕の力がより一層強くなる。

耳元で囁いてくれる“好きだ”という言葉。
嬉しくて胸がいっぱいで、じわりと目頭が熱くなった。

もうこのまま、離れたくないな。
私も彼の大きな背中に手を回して、ぎゅっと抱きしめる。

この幸せがずっと続きますように。


【END】