だとするとやっぱり…。

この場合、私は不倫になる?
ううん、捉え方次第だけど、ご飯を食べに行っただけだからきっと大丈夫。
それにあずささんは私のこと、知らないと思うし。

私はひとつ大きく深呼吸をする。
仕事に私情を挟んではいけない。
職務は全うしなくては。

ドキドキする胸を抑えながら、私は彼女の名前を呼ぶ。

「胡桃さーん、胡桃あずささーん、1番カウンターへどうぞ。」

あずささんがカウンターへ顔を出すまでそんな時間はかからなかったのに、私にはひどく長い時間に感じられた。

ひょこっと現れたあずささんはやっぱり小さくて、マスクをしているけど可愛らしさが滲み出てる人だった。

先日、胡桃さんと歩いていたあずささん、その人に間違いない。