私は“知らない”ことを免罪符にして、胡桃さんとの次の食事の予定を決めた。

楽しみすぎてウキウキしてしまう。
素直に喜んでしまう自分がいじらしい。

でも…。

でもやっぱり、ちゃんと聞くべきだよね。
ここは、はっきりさせとくべきだ。
“知らない”を免罪符にするなんて、卑怯だもの。

カレーを食べながら、それとなく、それとな~く聞いてみればいい。
もし彼女がいるなら、胡桃さんとはその日でさよなら。
もし彼女がいなかったら、今度は私から食事に誘ってみよう。

うん、そうだ、そうしよう。

私は一人納得して、うんうんと頷いた。
まるで、自分に言い聞かせるように。