こうしていると、まるで昔みたいだって感じる。

 それくらい、青司くんの空気は変わっていなかった。

 いや、本当はいろいろと変わっているんだろうけれど、あえてそれをわたしに見せないようにしてくれている気がする。きっとそれは……わたしがまったく変わってないから。変われてないから。だからそうしてわたしに合わせてくれてるのかもしれない。

 それがちょっと寂しくて、悔しくて、情けなかった。


「あの、さ……」

「ん?」


 少し前を行く青司くんに、わたしはあのことを訊こうとした。

 青司くんが帰ってきたことをみんなに伝えてもいいか、と。

 でも、また言えない。

 あとちょっとで口から出せるのに。早く言わないといけないのに。みんなにも連絡しなきゃいけないのに。


「なに?」

「う、ううん。やっぱなんでもない」

「え? 言いたいことがあるならなんでも言ってよ。言わなきゃ、わかんないことも……あるんだからさ」

「うん……」


 そう言いながら、やはり訊けない。