「で?稚尋とはどうなった?ちゅーした??ちゅーした???」



「ばっ、声がでかい!!」


澪は慌てて暎梨奈の口を押さえる。



「誰かに聞かれたらどうすんのよっ!」





そんな事実、受け入れたくなんかないのに。




澪が慌てふためいていた、その時。




澪の肩に、見覚えのある感覚が伝わる。




「あ……澪、愛しの王子様ご登場?」




瑛梨奈はニヤリと笑う。


王子様。王子様って……。




恐る恐る澪は顔をあげる。




「聞かれたら、まずいのか?」


澪のすぐ後ろから、稚尋の声がした。