澪は反射で稚尋を叩く。



「痛ってぇなぁ……しょーがねーじゃん!!!俺は姫が好きなんだからさぁ!?俺だって男なんだよ」





「すっ……好きとか言うな―っ!!!」




「言っちゃ悪ぃかよ!」




「悪くないけど!」




はぁ。




はあっ。



呼吸が荒い。



二人とも、ベンチに向かい合って言いたいことを言い合った。





そう。



今の私達には、こんなくらいの関係がちょうどいいのかも知れない。




「はぁ……もう、分かったよ……」




もういいや。



クラスの子達から無視されても。



「まじ!」




「それから……」




澪は稚尋の方を向き、言った。