「食べかけじゃないから、安心しろ」




「意味わかんないし……」



「あのさ」


「何よ……」


稚尋は、いつもとは本当に違っていた。






「俺、待つから。」



その顔は、真剣で、誠実な表情だった。


知らない顔に、澪の心臓は高鳴る。





「……澪が俺のこと好きになってくれるまで」



どうして彼は、そこまで私を想うのだろう。


「待つの?」


「そ。俺、待つ」




そう言って、稚尋は真剣な瞳で澪を見つめた。



その瞳は、逃げることすら許してはくれない。



栗色の瞳。