* * * 「……………………」 「……………………」 夜の通学路に響く、二つの足音。 二人で帰っているのに、二人の間に会話はない。 本来なら、私が何か言わなきゃいけないはずなのに。 澪は沈黙の中、その何倍も思考を巡らせていた。 「……はぁ」 何かを言わなくてはいけない。 そうは思っていても、何を話していいのかわからない。 わからないからまた考える。 そんな繰り返しだった。 澪はついに覚悟を決め、口を開いた。