「あたしに稚尋は基本的に何でも話してくれる訳なんだけど…………この前ね?稚尋、女遊びをやめるんだって言ってた」
冬歌の言葉に、澪の肩がピクリと動く。
「聞いてません。そんな話」
澪はキッパリと言った。
稚尋が澪に近づく時は、決まって何か企んでいる時だ。
自分が楽しかったら、充分。そんな雰囲気を纏いながら、稚尋は澪に近づく。
「そう。じゃあ……何で女遊びやめたのか、知りたくない?」
冬歌はそう言って、ニコリと笑った。
それは。
「知りたい!!!」
当たり前じゃないか。
あの稚尋に限って、簡単に女遊びをやめるなんて、病気にでもなっちゃったか、なんて思ってしまう。
瞳を輝かせながら冬歌の言葉を待つ澪を見て、冬歌は笑った。
そして、一言。
「“本当に、手に入れたい女の子が出来た”んだってさ」
そう言った。
「え……?」
澪の頬が一気に熱を持つ。
そんな言い方をされたら、誰だって自惚れてしまう。
稚尋はそれをちゃんと知っているのだろうか。