誰が書き込みをしたのだろうか。
サイト内で書かれた内容は、嫌になるほど鮮明に事実を書き表していた。
あのサイトの存在があるかぎり、私はクラスで仲間外れにされ続ける。
稚尋に関わっていなければ……私は普通に恋する一人の女の子だった。
それなのに。
「稚尋が……」
いけないんだ。
しかしどうしても、言葉に出すことができなかった。
そんな稚尋に今、心が揺れているのは紛れもなく自分だ。
これでは稚尋の悪口など言えたものではない。
澪は溢れ出る感情を抑え、保健室の扉を開いた。
「先生ー!」
「うわっ!?朝宮じゃん。最近来ないと思ってたのに……」
そう言いながら、冬歌はあからさまに面倒くさそうな顔をする。
しかしそう言いながらも、泣き崩れる澪の背中を優しく摩る冬歌。
そんな冬歌に澪は言った。
「今は、泣きたいんです……っ」
今はただ、誰かの腕の中で思いきり泣きたかった。
自分が悔しくて、たまらない。
今までは恋をすることは、幸せなことでしかなかった。
それなのに、今は何もかもがおかしい。