「ん……」
目がさめた頃、窓の外は薄暗くなっていた。
ずいぶん寝たようだ。
しかしまだ、熱は下がっていなかった。
電話には、母親の声で“遅くなる”と言う伝言が入っていた。
澪がまたベッドに入ろうとした時、玄関のインターフォンが鳴った。
「はーい!ケホッ」
一体誰だろう。
澪はふらつく足元に注意しながら、玄関の戸を開けた。
「はーい……え……」
玄関の前に立っていたその人物を見た瞬間、澪の心臓は飛び出そうになった。
「稚尋……」
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