「……雛が、自分から友達つくるなんて滅多にないんだ。だから、信じてやれよ?ま、俺の知る限りだけどな」
稚尋は澪の様子を知ってか知らずか、そんな言葉を投げかけた。
稚尋は澪の頭を撫でた。
わかってる。初めて会った時、私だって感じた。
雛子は何を考えているのだろう。知りたい。
「あたし……信じるよ」
「そうか」
また、澪の目に温かいものが込み上げた。
鼻の奥がツーンとした。
「もどろうか……」
「うん」
君がいれば何も怖くなんかない。
そう、自分に言い聞かせるの。
それが、最大の魔法の言葉のように思えるから。