「それってヤキモチってこと?」




そう言いながら、稚尋は澪の頬を伝う涙を指で拭った。












……いつの間にか、私は稚尋にはまってるんだね。ちょっと、悔しい。



















「……私が?」














「そうなんじゃない?……その涙が、証拠でしょ」




「……」












保健室の外では、三年生による、学級対抗リレーが行われていた。











稚尋は澪の小さな手を握った。



その稚尋の手の平が、澪の手をすっぽりと覆っていた。






稚尋の指は、冷たかった。



「……格好悪いよ、ヤキモチなんて」












「そう?可愛いと思うけど?」



ニヤリと、稚尋が笑った。













また、それだ。
















「可愛いとか言わないでよ……」






「照れてる?」





恥ずかしい。


澪の顔が、赤く染まる。