* * * 稚尋を追いかけて来た雛子は、保健室の前で足を止めた。 「俺が好きなのは……澪だけだ」 胸がちくりと痛む。 ねぇ、ちー。 それは昔、雛に言った言葉じゃない。 雛がちーを突き放したりなんてしたから……怒ってるの? ……だから、澪ちゃんを好きになってるの? わかんないよ……。 悔しくて、雛子は自身の綺麗な唇に歯を立てた。 ねぇ……本当の事が知りたいんだ。 ちー。 ★愛した涙 【END】