どうしようか。
これじゃ……ぶっちぎりでビリだ。
稚尋が言ってたことを間に受けてる訳じゃないけど、ビリはなんとなく恥ずかしい。
誰かいないだろうか。
そんな時だった。
澪の視界に入った人物。
その人物は、その中で一番輝いていた。
「雛!!」
雛子だった。
「え!?……澪ちゃん?」
澪の学校の体育祭に雛子がいる理由はよくわからなかったが、今はそんな事はどうでもよかった。
澪は雛子の手を掴み、ゴールに向かって走った。
「一緒に来て!」
「え?……あ、うん!」
雛子は澪の突然の申し出に、何も言わずにOKしてくれた。
そしてそのままゴール。
結果は二位。
澪にしては、奇跡のような結果だ。