「かっこよく見えた?」


瑛梨奈が笑顔で聞いてくる。



その笑顔からは、あの日の事なんて、嘘みたいに思えた。



「さぁ?」



かっこよく見えたというか、意外な才能を見つけてびっくり……の方が正しいかも知れない。



「あー……この後すぐに借り物競争だね」


不意に、瑛梨奈がそんな事を呟いた。



その言葉に、澪は静止してしまう。


「えっ!?」


「えっ……て、プログラム見なよ」


澪は慌てて、瑛梨奈に言われたようにプログラムを取り出した。


8、男子対抗リレー


9、借り物競争・三年


あぁ……本当だ。



澪の背中に急に冷や汗が伝った。



「ほ、……本当、無理!!」