「なっ……誰!?」







突然の物音に、澪は思わず身を震わせた。



数分経っても、音の原因はわからない。



「なんか、崩れたんじゃね?」


稚尋が面倒くさそうに頭を掻いた。



「そ、かな」



「なんか冷めたなぁ……帰るか?」



「うん」



澪は笑顔で頷いた。


とにかく、今日はもう、早く帰りたかった。


頭を冷やしたい。それが一番の目的だった。



「じゃあ、体育祭のやつ。覚えとけよ?」



稚尋は澪に笑いかけた。



「ばっ……ばかっ」