「え、あの……」 澪が戸惑っていると、雛子はニコリと笑いながら手を差し延べてきた。 「私のことは……雛って呼んで?」 澪に、選択権などなかった。 そのまま澪は雛子の手をとった。 「私は……」 「澪ちゃん。そう呼ばせて?」 クスリと雛子は微笑みながら立ち上がった。 不思議な気分になっていくのが、よくわからなかった。 「……はい」 「よろしくね、澪ちゃん」 澪の胸に小さな衝動が生まれた。