「いえ、私もボーっとしていたから……」 すごく、可愛い声だった。 その声に惹かれ、澪はぶつかった相手を見上げる。 「あ…………」 彼女を見た瞬間、澪は驚きを隠せなかった。 「あの……何か?」 「いっいえ、すみません」 彼女は例えるならば、フランス人形。 大きな丸い瞳に、長いまつげ。 その顔に、少しオレンジがかった艶のあるショートの髪の毛。 息をのむ程の美少女だった。