「……ごめん。瑛梨奈……俺が悪かった」



稚尋の言葉を聞いた瞬間、たまりかねたように、瑛梨奈は大粒の涙を流した。



「……あの時、謝ってくれてればえりは……こんな事なんてしなかったっ……」


「ごめん」



「……稚尋……えりね?……稚尋が………大好きだったよ…………」



その時の瑛梨奈は、最後に可愛く笑っていた。



これが、本来の瑛梨奈なんだね。



私たち、また友達になれるかな?



澪がそう言うと、瑛梨奈は照れくさそうに頷き、ただ一言。



「うん」



と呟いた。




ねぇ稚尋。



でも、あなたの受けた傷は、こんなものじゃないんでしょう?



その傷を隠すために、どのくらい他人を傷つけてきたの?



きっと死にたいくらいに辛かったんでしょう。



でも、死なないであなたはちゃんと生きてる。



だから……ゆっくりでいいから、傷を塞いでいこう?


ねぇ、稚尋。